753Note

古いレコードやCDを気軽にいつまでもいい音で

13. 環境の整備

このページの構成

  1. DP-300Fの回転数調整
  2. スピーカー周りの音響対策
  3. 果たしてトラバーチンの効果は
  4. PC再生画面のビジュアル向上
  5. 45年ぶりの再開
  6. Atlantic Bridge UK盤

1. DP-300Fの回転数調整


1-1: Audacity エフェクト メニュー

暫定的には、Audacityによりレコード音源の編集を行なうことで対応した。
具体的には「エフェクト」メニューの「ピッチとテンポ/速度とピッチを変更」を使用した。

1-2: 速度とピッチを変更

速度の「変更率」として「-2.98%」を入力して、「適用」をクリック。
これにより、再生時間が2分44.989秒から2分50.057秒に引き伸ばされることになる。

1-3: AT6181DL
1-4: RPM Speed and Wow

恒久対策として、DP-300Fの回転数をキチンと調整しておこうと考えた。
いずれ必要になるとは思っていたので、audio-technicaのストロボスコープキットを購入した。
やはり縞が定位置に静止せず時計回り(進み側)に遷移することが確認できた。
また、Androidスマホの「RPM Speed and Wow」というソフトでも計測を行なった。
この場合も33(1/3)回転に対し34.08回転、速度誤差+2.20%という結果になった。

さて、それでは調整を行なおうという段になって、問題が発覚した。

1-5: DP-300F 回転数調整用穴
1-6: 同部拡大

事前にネットで調べて、回転数を調整するネジが本体の底面にあることは分かっていた。
しかし、さらに詳しく調べてみると、精密ドライバによる調整作業はけっこう難しく、またメーカー以外での調整は許されていないことなども分かってきた。
どうりで取説にも記載がない訳で、やる場合はあくまで自己責任でということらしい。
調整ネジの頭が黒いスポンジで見えないようにしてあるのも、その意図の表われのようだ。
不安になったので、オーディオスクエアさんに問い合わせてメーカーに確認してもらったところ、やはり販売店でも調整はしないように言われたとのこと。
現在、オーディオスクエアさんとメーカー間で対応について協議中。 ・・・ つづく

2024年1月23日 追記
本日、オーディオスクエアさんから搬入があり、回転数33.45rpm(誤差+0.35%)を確認した。
オーディオスクエアさんがDENONに掛け合ってくれたお陰で、結果的にはサービスセンターにて保証内(無償)で修理をしていただくことができた。
メーカー側にも状況を理解いただけたようで安心した。
ロングセラーの良い製品なのでキチンとしたサービス対応が受けられるとユーザーとしてはうれしい。

2. スピーカー周りの音響対策

2-1: ラグ

冬ということもあってフローリングの床だと足元が冷えるのでチェアの下にラグを敷いた。
天井と床の反射共鳴を減らすのに効果があるかは疑問だが、悪さはしないはず。

あと、スピーカー周りに関しても基本的な音響対策をやっておくことにした。

2-2: AUDIO SPIDER SHEET ASP-001
2-3: Gマット

pacific audio の AUDIO SPIDER SHEETは文字通り蜘蛛の巣のような編み目をしたオーディオ用のすべり止めインシュレーションシートで、スピーカーやオーディオボードの下に敷けば音質や音調を変化させずに自然な特性で音質改善ができるとのこと。
TRUSCO(トラスコ)の耐震・防振・防音Gマットは、衝撃吸収率95%、震度7クラスでも大丈夫ということなので、スピーカースタンドの転倒防止に使用することにした。

2-4: トラバーチン オーディオボード
2-5: 同 WIXIMロゴ部

そして何と言っても目玉は、石専門店.com推奨のトラバーチン オーディオボード。
重量は2枚で約7Kg、磨き上げられた天然石の質感にも惚れ惚れする。
「振動、揺れに負けない安定性と、輪郭のはっきりした音を提供する」という実力に期待。

2-6: AUDIO SPIDER SHEET
  ボード下用、スピーカー下用
2-7: スピーカースタンド Gマット

AUDIO SPIDER SHEETはボードの下、スピーカーの下に敷くものをそれぞれ2枚ずつ作成した。
Gマットは左右それぞれのスピーカースタンドの底面に4枚ずつ貼り付けた。

2-8: トラバーチン セッティング終了

スピーカー位置は3cmほどかさ上げされ、オーディオラックの高さとほぼ同じになった。
セット状態は良好でグラグラ・ゆさゆさしなくなったので、少々の地震には耐えてくれそう。
床の振動低減により、マンション階下への防音対策効果にも期待したい。

さて、音質改善への効果は?

3. 果たしてトラバーチンの効果は

【PCオーディオによる再生】
新しい環境で「Beatiful Dreamer」などを聴いてみた。
尚、厳密には新環境でDirac Liveの再測定を行なう必要があるが、取り敢えずフィルターは現状のものを用いて確認した。
正直なところ音が激変したという感じはなく、Dirac Liveの効果も基本的に変わっていない。
ただ、足元からボディに伝わってくる固体伝播的な要素は明らかに減っている。
それにより、すっきり感や安堵感を感じられるのであれば、それなりの効果だと思う。

【空気録音】
新環境での空気録音を行ない、既に録音済みの旧環境データと比較した。

3-1: スピーカー周り 新環境
3-2: スピーカー周り 旧環境

1曲目「Beatiful Dreamer」
3-3: デモ動画の作成

4つの空気録音データを用いて、聴き比べのためのデモ動画を作成した。
以下の順序で「Beatiful Dreamer」が流れる。
 ・最初に、新環境と旧環境をDirac Live OFFで比較
 ・続いて、新環境と旧環境をDirac Live ONで比較
 ・最後に、新環境でDirac Live ON/OFFの比較

3-4: 【デモ動画】 Beautiful Dreamer


新環境ではラグの効果もあってベースライン自体が向上しているようにも感じる。
Dirac Liveの効果は空気録音でも顕著に捉えられている。

2曲目「大きな古時計」
3-5: デモ動画の作成

3つの空気録音データを用いて、聴き比べのためのデモ動画を作成した。
以下の順序で「大きな古時計」が流れる。
 ・旧環境(Dirac Live OFF)⇒旧環境(Dirac Live ON)⇒新環境(Dirac Live ON)で比較
 ・旧環境(Dirac Live ON)⇒新環境(Dirac Live ON)で比較

3-6: 【デモ動画】大きな古時計


すっきりとして音の輪郭がより鮮明になった・・・と言っていいかも知れない。

4. PC再生画面のビジュアル向上

PCで再生中の時はそれを分かりやすく視認したかったので、ビジュアライザーを探してみた。
結局、実用的な雰囲気も楽しめるスペクトラムアナライザーに落ち着いた。
WindowsのフリーソフトとしてはSpectralissimeの一択かも知れない。⇒ ダウンロード先

4-1: 【デモ動画】PC再生画面


DDRC-24の設定画面を全画面表示でバックに置いて、Dirac Liveの操作部を表示。
右上にMusicBeeの再生画面、右下にSpectralissimeの表示画面を配置した。
Spectralissimeは結構細かな設定もできるし、何と言っても滑らかな表示が気持ちいい。
浜田省吾の「AMERICA」を流したら、遠い青春期に立ち返ったような気分になった。

4-2: BALLADS ON PIANO (木藤義一)
4-3: THE HISTORY OF SHOGO HAMADA
  "SINCE 1975"

それで思い出したことがある。
ハマショーの好きな学生時代の友人から数ヶ月前にメールがあって、「借りっぱなしになっている中島みゆきのレコードがありそうなので探してみる」とのことだった。
どうだったのか、確認してみよう。

5. 45年ぶりの再開

メールで連絡を取ったところ、ほどなく友人から写真付きでメールが送られてきた。
忙しい中、年末の大掃除を兼ねて探してくれたらしい。有り難い。
そこには、懐かしい中島みゆきのレコードが写っていた。
1stアルバム「私の声が聞こえますか」から 6thアルバム「おかえりなさい」までの6枚。
時の流れに沿うように、順序よく丁寧に並べてくれている。

5-1: 友人からの送付写真
5-2: 指宿からの宅配便

そして数日後には、早々に指宿からの宅配便が届けられた。
盤の状態はどれも良好で、四十数年の経過をほとんど感じさせない。
いちおう他の盤と同様に温水でキレイに洗って、オーディオラックに収納した。

5-3: おかえりなさい

まさに・・・「おかえりなさい」。
ゆっくりと鑑賞しながら、一枚ずつデジタル音源に落として行きたい。

5-4: ジャケット
5-5: おまけのEP盤

ちなみに、この「おかえりなさい」の初回盤(1979.11.21発売)には、『あばよ』『追いかけてヨコハマ』2曲のカラオケが収録されたEP盤「マイナス1レコード」がおまけとして付いている。

6. Atlantic Bridge UK盤

行方知れずになった「Atlantic Bridge」のLPに関しては、誰かに貸したような覚えもない。
CDであれば中古市場に出回っているが、この1970年発売の日本盤はなかなか見当たらない。
日本で良品を見付けることは難しそうなので、ここはUK盤を本国から取り寄せることにした。

6-1: 行方知れずの日本コロンビア盤
6-2: UKからのAirmail

Discogsに商品の状態がNear Mintのものがあったので、£50(+配送料£20)で購入。
1週間あまりでUKからのAirmail便が到着。
盤には僅かな擦り傷があるだけで、カビや汚れは認められなかったが一応お決まりの温水洗浄。
さっそくアナログ音源に落としてPCオーディオで再生、そして空気録音。

6-3: 【空気録音】Rosecrans Boulevard


よく聴いていた「Rosecrans Boulevard」はA面の3曲目。
うーん、言葉は要らない。・・・・・ただただ、四十数年前が懐かしく思い起こされる。

6-4: 【空気録音】Childhood Room


「Childhood Room」はB面の3曲目。
それにしても、なんて繊細で美しい演奏なんだろう。
プライスレス。


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