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詳説 2.

SE/30-A、B セットアップ

このページの構成

以下の順序で、SE/30-AとSE/30-Bのセットアップを行なっていきます。
40SCの改修内容や、SCSI2SDの設定内容についても説明します。
  1. SE/30-A本体のセットアップ
  2. 40SCのセットアップ
  3. SCSI2SDのセットアップ
  4. SE/30-B本体のセットアップ
  5. 各機器の結線

1. SE/30-A本体のセットアップ

1-1
1-2

ロジックボードの内蔵電池は外置き化するので外し、代わりにリード線が出ています。(1-1)
ロジックボードを本体フレームに取り付けた状態から、拡張カードを装着していきます。(1-2)

1-3
1-4

HDDは装着済みです。(1-3)
Stratos TwinSpark Adapterをロジックボードに挿し込み、2本のネジで固定します。
ネジの向きは互い違いになることに注意します。(1-4)

1-5
1-6

Daystar Turbo 040 40MHzをTwinSpark Adapterの横向きのコネクタに挿し込みます。(1-5)
Interware VimageビデオカードをTwinSpark Adapterの上向きのコネクタに挿し込みます。
モニタ出力コネクタ部を拡張フレームに2本の固定ネジで取り付け、拡張フレームを本体フレームに3本のネジで固定します。(1-6)

2. 40SCのセットアップ

中古購入したApple HD 40SCにはオリジナルの40MBフルハイトHDDが付いていない状態でしたので、これにQuantum HDDを装着しました。
また、これによりHDD側のコネクタピッチが変更になるので、アクセスLEDアセンブリとSCSI ID切替SW用ケーブルの改修を行ないました。

以下、その改修内容を、既に改修済みの40SCを分解していく手順に沿って説明していきます。
まず、上蓋を外すところからです。

2-1: 側面部のツメを外すためのスリット
   (左右 各2ヶ所 計4ヶ所)
2-2: 背面部のツメ(左右2ヶ所)

上蓋は計6ヶ所のツメで本体に止まっています。
最初に側面部の4ヶ所のスリット部にあるツメを一つずつ外していきます。

2-3: 本体側のツメ穴プレート
2-4: 上蓋側のツメとスリット
   (上蓋は説明のために裏返した状態)

上蓋が本体に止まっている構造を、上蓋が外れた後の状態で説明します。
本体側のツメ穴プレートに上蓋側のツメが引っかかる構造です。
なので、矢印で示したように、上蓋のスリットから先の尖った樹脂製のものを差し込み、ツメ穴プレートを押してツメを外します。
ツメ穴の下には尖ったもので付けられた凹みキズが出来ているのが分かります。
ツメ穴プレートを押しながら上蓋を上や下にずらしてやると、プツっという感じでツメが外れるのが確認できます。
これらの作業には100円ショップの粘土へらが有効でした。

2-5: 粘土へら
2-6: 粘土へら 拡大

側面の4ヶ所のツメが外せたら、背面部の2ヶ所のツメを外します。

2-7: 背面部の2ヶ所のツメが外れた様子

背面部の2ヶ所のツメを外して上蓋を浮き上がらせます。
最後に上蓋の前側を外す感じで作業終了です。
組み立ての時も前側から組むとうまくいきます。
無理をして上蓋をこじ開けると側面部のツメ穴プレートが割れるので、ツメが外れていることを確認しながら作業を進める必要があります。

2-8: HDDマウンタの脱着

HDDマウンタを本体に止めているツメ(1ヶ所)を外し、ツメのある側を引き上げて外します。

2-9: HDDケーブルとHDD電源ケーブル

このような状態でHDDのフラットケーブルと電源ケーブルを外します。

2-10: HDDの固定ネジ 4ヶ所

HDDマウンタをそのまま手前に裏返して、40SC本体の外に出します。
HDDを固定した4ヶ所のネジが現われるので、それらを外します。

2-11: SCSI ID切替SW用ケーブルの配策状態

HDDマウンタを手前から持ち上げるとHDDの基板側が現われます。
この時、LED用ケーブルを突っ張らせないようにHDD側コネクタを外します。(絵の状態)
次に、SCSI ID切替SW用ケーブルのHDD側コネクタ、HDDマウンタ側ホールド部2ヶ所を外します。

2-12: LEDアセンブリ

これで、HDDとHDDマウンタが完全に分離された状態になります。
LEDアセンブリは、Quantumに対応させるためコネクタメス2Pのピッチを2.54mmから1.25mmに変更しました。

2-13: オリジナルの2.54mmピッチコネクタ
   及び6芯フラットケーブル
2-14: Quantum対応の2mmピッチコネクタ
   及びワイヤーケーブル

SCSI ID切替SW用ケーブルもQuantumに対応させるために変更しました。
HDD側のコネクタ2列6Pをピッチが2.54mmのものから2mmのものに変更しました。
  2mmピッチコネクタ圧着ソケット 2列6P: A3B-6D-2C
  2mmピッチコネクタ圧着端子: A3B-2630SCC
ケーブルもオリジナルの6芯フラットケーブルを6本のワイヤーケーブルに変更しました。

2-15: SCSIボードの取り外し

SCSI ID切替SW用ケーブルは本体側のSCSIボードに繋がっています。
本体にツメ(1ヶ所)で止まっているSCSIボードを上に引き上げて取り外します。
電源ケーブルも繋がっているので接続コネクタを外します。

2-16: SCSI ID表示窓
2-17: SCSI ID切替SW部

SCSI ID切替SW用ケーブルが付いたSCSIボードが外れます。
SCSIボード外側にはSCSI IDのカウンタと表示窓があります。
セットボタンを押して、40SCのSCSI IDは5番にセットしておきます。
SCSIボード内側にはSCSI ID切替SW用ケーブルが繋がっています。

2-18: SCSI ID切替SW部
   (ケーブルコネクタを外したところ)
2-19: ケーブルコネクタ

左は、ケーブルコネクタを抜いたSW端子部です。
テスターでSW単体としての導通を調べたところ、上からアース、A2、A1、A0と分かりました。
右は、ケーブルコネクタを分解した様子です。
白いパーツがワイヤを押し込んで被覆を剥く圧着式の構造になっていますが、接触不良が起こりやすく各ワイヤの導通をテスターで確認しながら作業を進めました。

2-20: SCSI ID切替SW側の結線

オリジナルの6芯フラットケーブルに合わせて6本のワイヤを使用しました。
作業を間違えないよう、各ワイヤに仮想番号を付けました。
  ① - A0アース(ダミー)
  ② - A0
  ③ - A1アース(ダミー)
  ④ - A1
  ⑤ - A2アース
  ⑥ - A2
尚、①③のワイヤは不要なのでカットしてあります。

2-21: HDD側6Pコネクタの結線

同様に、HDD側6Pコネクタの結線を示すとこのようになります。

2-22: 2列6Pコネクタへの圧着端子の差し込み方 リード線?の例

圧着端子を2列6Pコネクタへ差し込む時は、圧着端子のツメがコネクタハウジングのストッパーに引っかかるよう向きに注意します。

2-23: 6Pコネクタ周辺のケーブル配策
2-24: ケーブルをテープで固定

6Pコネクタは外れやすいので、HDDマウンタに取り付ける際に近傍のケーブルをこのように回り込ませておきます。(2-23)
さらにその部分をテープでこのように固定しておきました。(2-24)

3. SCSI2SDのセットアップ

SE/30-Bに装着するSCSI2SDの設定を行なっておきます。

3-1: 表面
3-2: 裏面

SCSI2SDのRevisionはV5.0bです。
SE/30のFDDマウントに固定するためのネジ類とスペーサが付いた状態です。

SCSI2SDのユーザーズマニュアルを参考にして設定を行ないました。
 [参考情報]SCSI2SD UserManual - code_src wiki
設定ユーティリティとファームウェアを同ページ内のリンクからダウンロードします。
ただし、v4.8.1のファームウェアで設定を行なったところ、拡張フレームのSDアダプターのmicroSDカードが認識されないという事象が発生したため、ファームウェアはv4.6を継続使用することにしました。
 [参考情報]scsi2sd_v4.6_firmware - codesrc (.mht)
 [参考情報]scsi2sd_v4.8.1_windows_64bit - codesrc (.mht)

バージョンが進んだのでリンクが切れてしまいました。
新しいバージョンで確認した方がいいのかも知れませんが、取り敢えずこのまま話を進めます。
scsi2sd-util.exeをダブルクリックで実行します。

3-3
3-4

「General Settings」画面が開きます。
本体のリビジョンはV5.0bなので「Enable SCSI terminator (V5.1 only)」のチェックを外します。
「Enable Parity」のチェックを入れておきます。

次に「File」メニューの「Upgrade Firmware...」から、ダウンロードしたfirmware_bundle-v4.6.00.scsi2sdを読み込みます。

3-5

デバイスを探しに行きますので、SCSI2SDをPCにUBS接続します。

3-6

SCSI2SDのLEDが点灯して・・・

3-7

ファームウェアがアップデートされます。

3-8

ファームウェアのバージョンが正しく4.6になっています。

次にボリュームの設定を行ないます。
デフォルトでは、容量が2GBの4つのボリューム(Device 1〜Device 4)が準備されていて、Device 1のみが有効(Target)になっています。
ここでは、すべてのボリュームを有効にしておくことにします。
これにより、例えば4GBのSDカードに対してはDevice 1とDevice 2が有効なボリュームとして使用できることになります。

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3-10

Device 1の設定です。
「Enable SCSI Target」はチェックが入っていますのでそのままです。
「Revision」が4.2になっているので正しく5.0bに変更しておきます。

3-11
3-12

Device 2の設定です。
「Enable SCSI Target」にチェックを入れます。
「SD card start sector」は第1ボリュームの続きで4194303とします。
「Revision」が4.2になっているので正しく5.0bに変更しておきます。

3-13
3-14

Device 3の設定です。
「Enable SCSI Target」にチェックを入れます。
「SD card start sector」は第2ボリュームの続きで8388606とします。
「Revision」が4.2になっているので正しく5.0bに変更しておきます。

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3-16

Device 4の設定です。
「Enable SCSI Target」にチェックを入れます。
「SD card start sector」は第3ボリュームの続きで12582909とします。
「Revision」が4.2になっているので正しく5.0bに変更しておきます。
以上で編集済みです。
「File」メニューより「Save to device」を実行します。

3-17

LEDが点滅して設定が行なわれます。
尚、設定内容は「File」メニューの「Load from device」で確認することができます。

3-18

SCSI2SDはSE/30-BのFDDマウンタにこのような状態で取り付けます。
固定用ボルト3本を通すために、FDDをマウンタごとフレームから外し、さらにマウンタからも外す必要があります。

3-19

SE/30-Bに取り付けた状態です。
リアカバーを開けずに拡張フレームからmicroSDカードが脱着できるよう、市販の延長ケーブルアダプタを利用した改修がなされていました。

4. SE/30-B本体のセットアップ

4-1

SE/30-Aと同様、ロジックボードからは内蔵電池を外置き化するためのリード線が出ています。
ロジックボードを本体フレームに取り付けた状態から、拡張カードを装着していきます。

4-2

Micron Xceed Color 30HRビデオカード及びGrayScale Adapterを取り付けるので、オリジナルのビデオカードとメインハーネスを取り外します。

4-3
4-4

最初に、GrayScale AdapterのJ1コネクタをロジックボードに挿します。(4-3)
GrayScale Adapterのその他のコネクタを接続します。
HDD用、FDD用のフラットケーブルを組付けます。(4-4)

4-5
4-6

DiiMO 030 for SE30をロジックボードに挿し込みます。
固定ネジは使用しないので確実にセットします。(4-5)
Micron Xceed Color 30HRビデオカードをDiiMO 030 for SE30のコネクタに挿し込みます。
GrayScale Adapterのコネクタ(延長ケーブル付き)をビデオカードに挿して結線終了です。
外部モニタへの出力は行なわないので、モニタ出力コネクタ部は使用しません。(4-6)

5. 各機器の結線

SE/30-A、SE/30-B、およびその周辺機器を結線していきます。
結線作業がスムーズに進められるよう、結線の手順をまとめておきます。

5-1

SE/30-Aに接続するものを整理してみました。

5-2

同様に、SE/30-Bに接続するものを整理してみました。

一旦バラシて、机上の奥にあるものから結線していきます。

5-3
5-4

まず、LANおよびLocalTalk関連の結線を、以下の順序で行ないます。
  LANケーブル → AsanteTalk → LocalTalkキット SE/30-B用 → LocalTalkキット SE/30-A用
この先に繋ぐLocalTalkキット SE/30-C用は後で結線します。(5-3)
結線が済んだら、Boseの外部スピーカー(LH)もセットして、キーボード収納ボックスごと机の奥に置きます。(5-4)

5-5
5-6

Edesseに必要な結線を行ない、Edeese収納ボックスの背面側から送り込みます。
内蔵電池格納ボックスは後で組付けるので外しておきます。(5-5)
Edesseがセットされたら、Floppy Emuも背面側から送り込んでおきます。(5-6)

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5-8

SE/30-Bをセットし、背面の結線を行ないます。
適当な棒とマスキングテープなどを使って、SE/30側の内蔵電池ケーブルコネクタを手前に引き出して、内蔵電池格納ボックスと結線します。(5-7)
同様に、SE/30-Aをセットし、必要な結線を行ないます。(5-8)

5-9

最後にキーボードをEdesse前面のADBコネクタに接続してセッティング終了です。

5-10

キーボードはキーボード収納ボックスに立てて仕舞えます。



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