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古いレコードやCDを気軽にいつまでもいい音で

9. レコードのクリーニング

このページの構成

  1. 想い
  2. 盤面総点検
  3. クリーニングの手順
  4. 水洗い
  5. 水の激落ちくん
  6. 仕上げの水洗いと乾燥
  7. 結果

1. 想い

熊本の実家を取り壊すことになり、二階のガラス戸棚の中で40年以上もそのままになっていたレコードを引き上げてきた。

1-1: レコード類

高熱に晒され続けたせいで、どれもジャケットの灼けが著しい。
中学の時に親に買ってもらった「Music Rainbow 全12巻」は特に痛みが激しかったが捨てるには忍びなく持って来た。
捨てるどころか、製本が損壊していた7巻と、レコードが消失していた9巻はオークションで再購入する結果となった。

1-2: セルジオ・メンデス・ベスト4
1-3: 14番目の月

セルジオ・メンデスのコンパクト盤は記憶では実家のステレオに付いていたオマケの試聴盤。
荒井由実のこのアルバムも大学生の時によく聴いていたなあ。
それぞれに、その時々の思い出が詰まっている。

2. 盤面総点検

数枚を試しに聴いてみたが、案の定プチプチ、パチパチと音が入る。
すべてのレコードの盤面の状況を調べ、特徴的なものはメモや写真に残しておくことにした。

2-1: カビ

まずはカビ。
盤により程度の差はあるものの、やはり40年の歳月の影響は免れない。
酷いものだとこんな感じで、目視でも簡単に分かる。

2-2: 引っ掻き
2-3: 擦れ

レコード針を誤って走らせたり、盤の粗雑な扱いで生じる引っ掻きや擦れの痕。
当然ながら、これらの傷はクリーニングでは落とせない。
歯ブラシは、ここでは撮影のピント合わせと場所を指す目印として使用した。

2-4: キズ
2-5: シミ

あとはキズとかシミとか。
キズに見えても汚れの場合もあるので、これらはクリーニングの対象。

2-6: 固形物1
2-7: 固形物2

固形物が盤面にこびり付いているケース。
カビかも知れないし他の付着物かも知れない。
1個だけの場合もあれば複数個集まっている場合もある。
丁寧にクリーニングを施せば取れる感じがある。

2-8: 固形物3

ただし、簡単には取れそうもない感じのものもある。

3. クリーニングの手順

あのタモリさんが言っているのだから、基本的には"レコード丸洗い"で問題ないと思う。
他のいろいろな記事も参考にして、シンプルな方法を自分なりに考えてみた。

3回の温水洗いをベースにした、中性洗剤と水の激落ちくんによるダブル洗浄とする。
  下洗い→中性洗剤泡立て洗い→濯ぎ洗い→水の激落ちくん洗浄→仕上げ洗い

1) 表面の汚れや粒子などを除去するために温水で洗い流す
2) 薄い中性洗剤液を使って柔らかいスポンジで泡立て洗い
3) 再度、温水で洗い流す
4) 水の激落ちくんを表面にムラ無く散布
5) コットンパフで溝の目をなぞるように拭き上げる
6) 酷いカビや汚れ、異物は必要に応じてシステマ歯ブラシで除去
7) 再度、温水でキレイに洗い流す
8) スタンドに立てて乾燥
9) レコードクリーナーで仕上げのコート (適宜)

3-1: 中性洗剤とペーパータオル
3-2: その他のクリーニングツール

中性洗剤とペーパータオルは家にあったものを利用した。
その他必要なものを揃えて準備完了。

4. 水洗い

【表面の汚れや粒子などを除去するために温水で洗い流す】
4-1: プロテクター装着
4-2: 水洗い

NAGAOKAの「LPレコードクリーニング用ラベルプロテクター CLP02」を装着。
ラベルが濡れるのを気遣わなくて済むし、ハンドルを持って作業ができるので楽チン。
シャワーで40℃くらいの温水を出しながら、盤の両面を洗い流す。
キズの原因となる粒子を除去し、温水で汚れやカビを浮き出させるのが目的。

【薄い中性洗剤液を使って柔らかいスポンジで泡立て洗い】
4-3: 中性洗剤とスポンジ
4-4: 泡立て洗い

台所にあった、食器用のごく普通の中性洗剤を使用。
軽く泡が立つ程度の薄めの液を使って、柔らかいスポンジで周方向に沿って洗っていく。
力を入れすぎないことにだけ注意して、両面を万遍なく洗い上げる。

【再度、温水で洗い流す】
4-5: 水洗い
4-6: 拭き取り

再び、温水シャワーで洗い流す。
強めに温水をかけて、洗剤成分が残らないようにしっかりと洗う。
洗い終わったら、プロテクターのハンドルを握って盤を振り、水を切る。
ペーパータオルで余計な水分を拭き取る。(特に乾かす必要はない。)

5. 水の激落ちくん

【水の激落ちくんを表面にムラ無く散布】
5-1: 水の激落ちくん
5-2: 散布状態

水の激落ちくんを盤面にムラ無く散布する。
そのまま2〜3分放置して、カビや汚れを浮き出させる。

【コットンパフで溝の目をなぞるように拭き上げる】
5-3: コットンパフ
5-4: 拭き上げ中

コットンパフでレコードの溝をなぞるようにして、周方向に丁寧に拭いていく。
最初は同じ箇所を3回程度拭きながら、少しずつ隣の場所へ移動していく感じ。
一通り終わったら、次は拭く円弧を大きくして移動しながら、また全体を拭き上げる。
最後は円周に沿ってぐるぐると拭き上げて、仕上げを行なっていく。
カビが酷い箇所は、これらの散布/拭上げをもう一度繰り返した。

【酷いカビや汚れ、異物は必要に応じてシステマ歯ブラシで除去】
5-5: 数個集まった固形物
5-6: 除去後

カビや汚れが酷い場所や、固形物などの付着がある箇所には歯ブラシを使う。
水の激落ちくんを散布して、歯磨きと同じ要領で細かい毛先で汚れを掻き出す感じ。
取れるものは5、6回程度で取れるが、取れないものは取れないので無理しない。

6. 仕上げの水洗いと乾燥

【再度、温水でキレイに洗い流す】
6-1: 水洗い
6-2: 拭き取り

再び、温水シャワーで洗い流す。
ここでも強めに温水をかけて、不純物が残らないようにしっかりと洗う。
洗い終わったら、プロテクターのハンドルを握って盤を振り、水を切る。
ペーパータオルで余計な水分を拭き取る。

【スタンドに立てて乾燥】
6-3: スタンドに立てる
6-4: 乾燥中

プロテクターを外し、NAGAOKAの「LP/EPレコードスタンド STL01」に立てて乾燥させる。
見た目にはすぐに乾くが、焦らずに十分に乾燥させる。

【レコードクリーナーで仕上げのコート】 (適宜)
6-5: レコードクリーナー

レコードクリーナーはaudio-technicaの「AT6012a」を使用。
空気が乾燥して、静電気で盤面にホコリや毛などが付きやすい時には必要かも。

7. 結果

全数についてクリーニング終了。
けっこう骨が折れるが、目に見えてキレイになっていくので、やっていて気持ちがいい。

7-1: クリーニング前
7-2: クリーニング後

当たり前のことだが、引っ掻きキズや擦れキズはクリーニングでは修復できない。
カビ、汚れ、シミは念入りにやれば、けっこう酷いものでもキレイになる。
固形物もカビの塊と思われるものが多く、大抵のものは除去することができる。

7-3: ルーペスタンド
7-4: 作業中

針飛びでループが起こっていた箇所の固形物は、やはりクリーニングでは除去できなかった。
諦めようかとも思ったが、ダメ元で爪楊枝による施術を行なうことにした。
固形物の状況をルーペでよく観察しながら、爪楊枝で溝を反時計回りに丁寧になぞる。
10回目位で固形物がポロッと崩れ、あとは数本の溝にこびり付いた異物を少しずつ削り採った。
爪楊枝、恐るべし。

クリーニングを終えたレコードをいくつか聴き直してみた。
素晴らしい! 音自体も変わっているように感じるくらい、実に気持ちがいい。
これで、気分良く次のステップに進むことができる。


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