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古いレコードやCDを気軽にいつまでもいい音で

1. 背景

このページの構成

  1. オーディオ購入計画
  2. 試聴会
  3. セッティング
  4. リスニング
  5. 音響補正の必要性
  6. PCオーディオ化
  7. 今後の進め方

1. オーディオ購入計画

SE/30 3台を含むオールドマックのコレクションを、すべてオークションで手放してしまった。
幸いにも面倒を見ていただける方が現われて、それなりの収入を得ることもできた。
それを資金にオーディオセットを購入して、手持ちのCDや実家に残してあった古いレコードを聴いて余生を過ごす計画だったので、まずは一段落。
結婚して家を出た娘の物置き化している部屋を整理して、早々に計画を進めることにした。
ただし、5帖程度の狭い部屋ではオーディオセットを置ける場所も限られており、ドアの開閉に支障がないようにすると設置幅は106cmしか採れないことが分かった。

【案1】
1-1: DENON 600s + DALIトールボーイ 案

にわか勉強で、DENONの機器とDALIの相性が良いことを知り、106cm幅に収まるようにレコードやCDも収納できるラックも含めて検討したのがこの【案1】。
エントリー機として好ましいDENONの600シリーズをベースにレコードプレーヤーは人気と実績のあるDP-300Fとし、スピーカーは見栄えのするトールボーイ型としてみた。
これだと合計額は30万円程度と見込まれるので、予算の50万円にはまだ余裕がある。
折角なので後悔しないようフルに使い切ろうと思うが、どこにお金を掛けるべきなのだろうか。

【案2】
1-2: DENON 900s + DALIブックシェルフ 案

並行して、オーディオスクエアさんにも「狭い部屋で音量をあまり上げずに、ゆったりと音楽を楽しみたい」というコンセプトを伝えて、いくつか推奨案を出してもらうことにした。
すると、私の【案1】もそれほど的外れではなかったらしく、スピーカー以外の項目については比較的すんなりと、幾度かのメールのやりとりで【案2】がまとまった。
 ・レコードプレーヤーはDP-300Fの一拓で、カートリッジはMC型のDL-103に交換(追加)。
 ・プリメインアンプはMCフォノイコライザーを搭載したPMA-900HNEとする。
 ・CDプレーヤーも同900シリーズのDCD-900NEとする。
 ・スピーカーはコンセプト的にOPTICON1 MK2を本命としておき、試聴会で最終決定する。
 ・オーディオラックとスピーカースタンドはデザイン的にもHAYAMI製で統一する。
予算的にもほぼぴったりで、自分としては納得のいく案となった。

2. 試聴会

オーディオスクエアさんにOPTICON1 MK2の試聴機をメーカーから取り寄せていただき、リスニングルームでの試聴会となった。
オーディオラック以外は【案2】と同じ構成で、じっくりと3時間以上かけて試聴した。
メインの論点はやはりスピーカーで、別案のMENUETとの聴き比べが大変参考になった。
両者の違いはほぼ予想していたとおりで、音の善し悪しということではなく、曲をどのように聴きたいかという違いであることを再認識できた。

2-1: OPTICON1 MK2
2-2: MENUET

自分なりには、
  音楽そのものの温かみや空気感に包まれたいのであればOPTICON1
  音色(楽器、肉声)そのものの個性や鮮明さに聴き入りたいのであればMENUET
といった捉え方をしている。
もちろん悩みどころではあったが、今回はOPTICON1を選択することで腹を決めた。
若い頃の自分であったら、間違いなくMENUETを選択していたように思う。
歳をとると「飛び出す絵本より、普通の絵本の方がよくなる」といったことかも知れない。

スピーカーについて決心が付いたので、最終の見積もりを出してもらい、その場で契約。
プロの意見も聞いて必要と判断した以下の内容も含まれている。
  電源タップ、電源ケーブル、RCAケーブル、バナナプラグ
  プリメインアンプとCDプレーヤーの5年保証
  搬入/セットアップ費用
総額は504,000円(税込)で、予算をしっかりと使い切った。
決して高級オーディオではないが、自分には勿体ないくらいの内容だと思う。
大切にしよう。

3. セッティング

オーディオスクエアのプロに来ていただき、搬入とセッティングを行なってもらった。
電源タップやケーブル類など、音響装置として重要な部分の心得を習得することができた。
また、レコードプレーヤーのカートリッジの交換や針圧の調整などについても説明を受けた。
やはりプロの作業は安心して見ていられるし、勉強にもなるので、お願いしてよかった。

3-1: 電源タップ Crystal 3.1
3-2: PMA-900HNE 背面

3-3: OPTICON1 MK2 背面
3-4: Made in Denmark

3-5: 結線図

3-6: セッティング状態

熱がこもる恐れがあるので、プリメインアンプの上部には十分な隙間を空けておくことにした。
これによりCDの収納スペースはなくなってしまうが、放熱の方を優先する。

やっぱりステレオは2chが原点で、スピーカーもシンプルで機能に優れた2wayが自分には好み。
AVアンプやサラウンドシステムを構えるような環境ではないし、これで頑張ってみよう。

4. リスニング

自分はいわゆる「ながら族」ではないので、音楽もじっくり聴かないと耳に入って来ない。
狭い部屋ではあるが、それなりにリスニングポジションを決めて、チェアを置こうと思う。
まず、最適な条件(スピーカー配置とリスニングポジション)を探すことにした。

4-1: セッティング A
4-2: セッティング B

といっても、それほど自由度がある訳ではなく、スピーカー配置に関しては2とおり。
部屋の入り口ドア(向かって左側)の開け閉めに支障が生じない「セッティングA」と、ドアの開け閉めは多少不自由になるがスパンを増やして対称性も確保した「セッティングB」を考えてみた。
それぞれに対して最適なリスニングポジションを耳の感覚を頼りに探してみると、音像定位(特にセンターの確からしさ)や空気感(広がり)に差がありそうなことが分かった。
また、音響的な配慮は何もしていない部屋なので当然かも知れないが、いずれのセッティングに対しても低音がボワボワとこもる感じがあり、そのために大切な中低音に靄がかかったようになってしまい、スピーカーの実力が引き出せていないように感じた。

4-3: REW (Room EQ Wizard)
4-4: 無指向性マイク UMIK-1

得意のにわか勉強でいろいろ調べてみると、REWというPC版の無料ソフトがあり、無指向性マイクさえあれば簡単な音響分析ができるようだったので試してみることにした。
さっそくUMIK-1購入のため約2万円の出費が発生した。
トライアルとして細かい設定などは行なわなかったが、面白い結果を得ることができた。

4-5: Room Simulation for A
4-6: Room Simulation for B

「Room Simulation」では、部屋の容積寸法、スピーカーの配置、リスニングポジションを入力するだけで、スピーカーの耳位置での周波数特性(Total, LH, RH)と部屋の定在波の関係を知ることができる。
セッティングAに対してはRHスピーカーの方が右の壁に近いので反射音の影響を強く受けるため、理想のリスニングポジションとしてはスピーカーのセンターより左寄りになることなど、耳による確認結果と合っている。
セッティングBに対しては当然ながら対称性が保たれている。

4-7: Room Response for A
4-8: Room Response for B

「Room Response」では、スピーカーへのスイープ入力に対する耳位置での音をマイクで実測し、周波数特性(Total, LH, RH)を調べてみた。
セッティングAに対しては、150Hzと600Hzに5dB以上の左右差が認められ、しかもその傾向が逆転していることなどから、やはり非対称性が悪さをしていることが分かる。
耳による確認結果と合わせ、配置に関してはセッティングBの方が好ましいと言える。
ただし、いずれのセッティングに対しても90Hz付近に定在波の影響と思われる低周波の大きなピークがあり、これが中低音が埋もれている原因ではないかと思われる。

さらにREWには、この周波数特性を基本フラットな状態に音響補正するためのフィルターを書き出す機能もある。
ただし、音響補正を行なうためには、ハードウェアやソフトウェアを揃える必要がある。

5. 音響補正の必要性

いくつか音響補正を行なう製品について調べてみたが、決して安価なものではないし、その必要性について疑問に思うことも生じてきた。
まず、音響補正とは物理的に正しいことをやっているかという疑問で、その採用アルゴリズムによってはあまり信頼できないものもあるらしい。
また、ピュアオーディオと言いながら、ルームの改造や吸音対策などの基本的なことには手を着けず、いきなりデジタルの力を頼ることに多少の抵抗も感じた。

とは言え、専用の立派なオーディオルームがある訳ではないし、ルームの改造や大規模な吸音対策に大金をはたく余裕もない。
また、価格が12万円のスピーカーにその金額以上のお金を掛けることもバランス的におかしいような気がする。
ということで一般人の選択としては、経済的に許される範囲でデジタルの力も借りてやれることをやってみるしかないという結論に至った。

5-1: Dirac Liveソリューション
5-2: miniDSP DDRC-24

検討の結果、スウェーデンのDirac Research 社のDirac Liveソリューションを選択した。
Dirac Liveは位相・時間特性も含めた適正化をマルチチャンネルに対しても適用している。
マルチチャンネルはさておいても2chに対する適正化であれば物理的にも十分可能に思える。
ハードウェアはDirac Liveを搭載したDSPプロセッサーであるminiDSP社のDDRC-24とする。
DDRC-24(Dirac Live込み)の価格は、約8万円。
Dirac Liveの推奨マイクであるUMIK-1(すでに購入済み)との合計は、約10万円となる。

6. PCオーディオ化

音響補正を考えるとPCとの接続のために、USB DACなどのインターフェースが必要となる。
しかし、補正の対象をレコードプレーヤーの音源まで含めようとするとそれ専用のUSB DACやフォノイコライザーまで追加になり、システムが複雑になってしまう。
そこで、音響補正の対象はNASに置いた音源データのみとし、お気に入りのCDやレコードの音源はデジタル化してNASに置いておき、PCからネットワーク接続して聴くことにする。

6-1: 結線図 (PCオーディオ化追加)

また、今回はUSB DACではなくDSP搭載のDDRC-24を使用するため、レコードの再生音源をデジタル化することも可能になる。
これにより現状のオーディオシステムは基本そのままで、PCオーディオ化の部分のみを追加する形になるので、システムとしても分かりやすい。
尚、PCとDDRC-24とは場所が離れており、USBケーブルで接続しようとすると、5mという規格上の長さ制限もあってケーブルの取り回しが難しい。
そのため、silex社のUSBデバイスサーバ DS-520ANを導入して、LANによる接続を可能とした。
DS-520ANの価格は約1万円なので、これで音響補正への投資額は計約11万円となる。

6-2: 電源タップ Crystal 3.1
6-3: PMA-900HNE 背面

電源タップ Crystal 3.1の2Pコンセントに3口の電源タップを接続して、DDRC-24とDS-520ANの電源アダプターを接続。
PMA-900HNE背面の「AUX」「AUDIO OUT」にそれぞれDDRC-24の「OUT」「IN」をRCAケーブルで接続。

6-4: DDRC-24(左)とDS-520AN(右)
6-5: PCとオーディオセットの位置関係

これで取りあえずのセッティングは完了。

7. 今後の進め方

7-1: リスニング環境

本日、IKEAで探して来たリスニング用のチェアも所定の場所にセットした。
必要なものは一通り準備できていると思うので、あとは少しでもいい音が聴けるように、一つ一つ楽しみながら確認していきたい。
一応、以下のようなタスクを考えている。

 miniDSP DDRC-24の設定
 USBデバイスサーバ DS-520ANの設定
 DR-07Xによる空気録音
 MusicBeeによるNAS音源データ管理、CDのリッピング
 Dirac Liveによる音響補正(セッティングB)
 Dirac Liveによる音響補正(セッティングA)
 レコードのクリーニング
 MCカートリッジDL-103の確認
 Audacityによるレコード録音、音源データ管理

7-2: DR-07Xによる空気録音
7-3: Dirac Liveによる音響補正

7-4: レコードのクリーニング
7-5: MCカートリッジDL-103の確認


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