753Note

Macノートブック三傑

追加記事

このページの構成

  1. PismoのComboドライブについて
  2. Pismo用 USB外付けHDDの作成
  3. OS 8.6 - OS X 10.5 on Pismo

1. PismoのComboドライブについて

1-1
1-2

PismoのDVD-ROMモジュールとして、オリジナルのものとは別に通称Comboと呼ばれるDVD-ROM/CD-RWがあります。
オークションで入手してそのままになっていましたが、活躍の場を与えることにしました。

1-3: 漢字Talk 6.0.7 アップグレードキット
1-4: 漢字Talk 7.5 アップグレードキット

1-5: TETRIS
1-6: MacPon

OldMacの大切なデータには800Kや1.4MBのフロッピーディスクのものが数多くあります。
これらのディスクイメージを作成して一枚のCDに焼いておけばバックアップとしても安心ですし、インストール作業やフロッピーディスクの複製も楽になります。

1-7

手持ちのすべてのFDのイメージを一つのフォルダにまとめて準備しました。
作業ボリュームは「PowerBook G3」(Mac OS 9.0.4環境)です。
あとは、この「バックアップFDイメージ」というフォルダごとCDに焼くだけです。

一旦Pismoを終了し、オリジナルのドライブをComboドライブに交換して起動しました。
ところが、起動画面でプログレスバーが進まなくなり、フリーズしてしまいます。
試しに「Mac OS 9.2」のボリューム(Mac OS 9.2.2環境)からは起動できます。

今まであまり気にせずにいましたが、このComboドライブについてWebで調べてみました。
すると、これはApple純正のものではなく、中身だけをMATSHITA(Panasonic)製の「UJDA760」に交換したサードパーティ製のものであることが分かりました。
その証拠に、ケースに記載されたModel Numberがオリジナルと同じM7931になっています。

1-8

「UJDA760」自体も基本はWindows用らしく、Mac用の正規のドライバは無さそうです。
また、上記のようなサードパーティのドライバのダウンロードサイトもいくつか見つけましたが、いずれもMac OS X以降の対応となっていました。
実際、PismoのMac OS X 10.4環境ではディスクユーティリティの「Disk Burner」を用いてCDが焼けるようですが、この環境ではHFSデータが扱えません。

少し諦め気味になりましたが、Mac OS 9.2.2環境で確認を進めてみました。

1-9

新しいCD-Rをドライブに挿入すると、このような画面が開きました。
「名前」を「バックアップFDイメージ」として「準備」を実行します。

1-10

CD-Rが認識されてディスクトップにマウントされました。

1-11

前もって作成しておいた「バックアップFDイメージ」フォルダの中身をCD-Rにコピーします。

1-12

「特別」メニューより「CD-Rを作成」を選択します。

1-13

「作成」を選択します。

1-14

うまくいきそうな雰囲気でしたが、だめでした。
“デバイスが対応していないため、作成操作を完了できませんでした。”となってしまいます。

1-15

ユーティリティの「Disk Burner」をダブルクリックして直接実行してみても、
“開始するには、書き込み可能なメディアを挿入してください。“となってしまいます。

1-16

比較のため、やはりComboを備えているiBook G3で同じことを確認してみました。
ドライブはSONY製の「CRX-800E」で、こちらはオリジナルの装備品となります。

1-17

Pismoの場合と同様にMac OS 9.2.2環境で作業を進め、イメージの「作成」を実行しました。
すると、こちらはエラーにならずに、イメージの保存が始まりました。

1-18

さらに書き込みが行なわれ・・・

1-19

検証が行なわれ・・・

1-20

CDが作成されました。
両者の違いは一体どこにあるのでしょうか。


1-21: Pismoシステム・プロフィール
1-22: iBookシステム・プロフィール

両者のシステム・プロフィールを比較してみました。
一応どちらのデバイスも表記上ではDVD-ROM/CD-RWとして認識されているようですが、Pismoが「Apple disc 対応」なのに対して、iBookは正しく「Apple disc burning 対応」となっているようです。
Mac OS 9.2.2に含まれるAuthoring Support機能拡張のバージョンを最終の1.1.9にすれば正しく認識されるといった記事もあったので、さらに調べてみました。


1-23: Pismo
1-24: iBook

両者のバージョンは、Pismoが「J1-1.1.3」、iBookが「J1-1.1.7」となっていました。
Pismoの「Authoring Support」と「Authoring Support Files」をiBookのものと同じにしてみましたが、「Apple disc 対応」はそのままで、結果も同じでした。
Appleサポートの「Authoring Support 1.1.9 日本語版」ダウンロード先もリンク切れになってしまっており、最後の望みも絶たれたので、標準機能による方法はここで断念しました。
ただ、HFSデータをCDに焼く作業はPismo上で完結させたいので、レコーディングソフト「Toast 5」を使用することにしました。

1-25

中古購入した「roxio Toast 5 Titanium ver. 5.0.2J パッケージ版」です。
Mac OS 8.6以降、Mac OS X対応とあるので、Pismoにはジャストフィットだと思います。

1-26

ToastをMac OS 9.2.2環境にインストールしました。

1-27

Toastを起動するとこのようなウィンドウが開くので、

1-28

書き込むデータをフォルダごとドロップします。
フォルダに含まれる1階層目のデータが表示されます。

1-29

新しいCD-Rをドライブに装着してトレイを閉じ、Toastの「書き込み」ボタンを押します。

1-30

書き込みが始まります。
書き込みが終了したら、自動で検証が行なわれます。

1-31

CDが作成されました。

1-32

余談になりますが、Pismoで撮ったこれらのスクリーンショットを共有サーバのlandiskに送って、今VAIOでこの記事を書いているところです。

1-33

焼き上がったCDにレーベル印刷を行なって作業完了です。
このCDには計63枚分のディスクイメージが収録されています。

以上、「コンボ&トースト」というモーニングセットみたいな組み合わせになりましたが、Pismoに必要な環境が整備されました。

2. Pismo用 USB外付けHDDの作成

Mac OS 8.6の起動などを試していたPismoの内蔵HDDが急に認識されなくなり、焦りました。
ロジックボードの故障も疑いましたが、結果的にはHDDケーブルの交換で治りました。
しかしこれを機会に、外部起動が可能な外付けのHDDを準備しておくことにしました。

2-1

Pismoの場合、FireWire接続のHDDが主流ですが、私は以前からUSB派です。
内蔵HDDをIDE-USB変換の外付けケースに入れて使うやり方です。
  HDDケース: SANWA TK-RF25UBKLN

2-2

今回は、HDDの代わりにCFカードとCF-IDE変換コネクタを使ってみることにしました。
  CFカード: Sandisk SDCFHS-016G
  CF-IDE変換コネクタ: 変換名人 CFIDE-441IA

2-3

CF-IDE-USBをアセンブリしてPismoのUSBポートに接続するとLEDが点灯しました。
CFIDE-441IAのJUMPERの設定は「CLOSE=MASTER OPEN=SLAVE」です。
購入時には基板にジャンパーピンが立ってCLOSEの状態になっていました。
後でケースに組み込む際にはジャンパーピンを外してOPENにしておく必要があります。

2-4

本体の「Mac OS X 10.4」から起動します。
ディスクユーティリティで4つのパーティションを切りました。
  フォーマット: Mac OS 拡張 (ジャーナリング)
  パーティション方式: Apple パーティションマップ

2-5

本体の「PowerBook G3」(Mac OS 9.0.4)から起動します。
Pismo用のSoftware Install CDをドライブに装着します。
外付けHDDの先頭ボリューム「OS9.0.4」にはMac OS 9.0.4をインストールしておきます。

2-6

インストールを開始すると「ドライバを更新できませんでした。」という警告が出ますが、「警告を無視」を選択しました。

2-7

インストールが終了して、「OS 9.0.4」から外部起動できることを確認しました。
同様に、2番目のボリューム「OS 9.2.2」にはMac OS 9.2.2をインストールしておきました。
尚、PismoのUSB外付けHDDの場合、Mac OS Xからの起動はできないようです。
この辺りの大切な情報も、今では確認することが難しくなっているように感じます。

2-8

PismoをMac OS 8.6から起動する件に関しては、問題解決まで時間がかかりそうです。
仮にまた内蔵HDDに異常が発生した場合でも、これがあれば少し安心できます。

3. OS 8.6 - OS X 10.5 on Pismo

本編「2-7. Mac OS 8.6の起動」の仕切り直しを行ないました。
しかし、結論から言うと、やはりOS 8.6の起動には失敗しました。
その内容も含めて、「OS 8.6 - OS X 10.5 on Pismo」としてまとめておくことにします。
これが、私のPismo G4/500MHzとしての集大成と考えています。

3-1

まず、HDDは「Toshiba MK-1234GAX」から同じ容量(120GB)の「WD WD1200BEVE」に交換することにしました。
前にHDDが認識されなくなった問題はHDDケーブルの交換で解消されましたが、以下のような記事もあり不安要素は取り除いておくことにしました。
「東芝製ハードディスクの一部には、ファームウェアの問題で PowerBookに内蔵した場合、PowerBook側からMaster設定と認識されないものがあります。内蔵ハードディスクがslave設定のままでは起動ディスクにすることはできません。・・・」
  → FAQ for PowerBook G3 Series

3-2

あと、ドライブとしての容量制限や起動ボリュームとしての制約条件も調べてみました。
整理された情報がなくてよく分りませんが、このようなスレッドがありました。
  → Mac OS 9 booting: HARD DISK SIZE LIMIT ?
これによると、以下のようになると思います。
  ドライブ容量制限: 内蔵IDEハードとして認識されるドライブサイズは128GBまで
  起動ボリュームとしての制約: Mac OS 9の場合、各パーティションは約190GB以下
OS 8.6もOS 9と同じ(Mac OS 拡張)と考えると、128GB以下のHDDにパーティションを切って起動用ボリュームとすることに問題は無さそうです。

新たに「Mac OS X 10.5」用のボリュームを追加して、12パーティションに分割しました。
No.1からNo.11までがOS起動用のパーティションです。
サイズはNo.8とNo.9が8GB、No.10が16MB、それ以外は4GBとしました。
No.12はデータ用で、サイズは残りの約48GBということになります。
  1: PowerBook G3 (Mac OS 9.0.4)
  2: Mac OS 9.1
  3: Mac OS 9.2.2
  4: Mac OS X 10.0
  5: Mac OS X 10.1
  6: Mac OS X 10.2
  7: Mac OS X 10.3
  8: Mac OS X 10.4
  9: Mac OS X 10.4S (Tiger Server)
  10: Mac OS X 10.5 (Leopard)
  11: Mac OS 8.6
  12: Data
No.9、No.10、No.11の3つが、Pismoにとって"unsupported"なOS用となります。
参考までに、Startup Managerで表示できる起動ボリューム数は1デバイスあたり8個までなので、これら3つのOSの起動は「起動ディスク」から行なう必要があります。
"unsupported"なので表示されないと思っていましたが、たまたま8個という制限に引っかかっていたようです。

【Mac OS X 10.4S】

3-3

Mac OS X 10.4 Tiger Server の起動はすでに確認済みです。
やはり、このデスクトップには品格を感じます。

3-4
3-5

インストールには「Mac OS X Server Install DVD」に一部修正を加えたディスクを用います。
Open Firmwareを使用しない方法ということになります。

3-6

具体的には「OSInstall.dist」の「checkSupportedMachine」情報を修正しました。
詳細は本編「2-6. Mac OS X 10.4 Serverの起動」を参照ください。

【Mac OS X 10.5】

3-7

今回、Mac OS X 10.5 Leopard の起動を確認できました。
このデスクトップにも、また独特の雰囲気があります。

3-8
3-9

インストールは、ここでも「Mac OS X Leopard Install DVD」に一部修正を加えたディスクから行なえるようにしました。
あくまで、Open Firmwareは使わない方針です。
よく分っていないから、というのが正直な理由ですが。

3-10

具体的には、Destributionファイルに含まれる"badMachines"情報を書き換えました。
ただしLeopardではOSInstall.pkgの形態が変更になっていて、少し苦労しました。
以下、MacBook Late 2008上で行なった作業手順を示します。

3-11
3-12

ディスクユーティリティを開き、「Mac OS X Leopard Install DVD」のディスクイメージを作成します。

このままでは、ディスクの中身が見られないので、隠しファイルを表示します。
ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。
 defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles TRUE
 killall Finder

3-13

作成したディスクイメージをマウントして、カラム形式で内容を表示します。
/System/Installation/Packagesには、OSInstall.pkgとは別にOSInstall.mpkgというファイルがあります。
調べた結果、Leopard以降はpkgのすべてのコンテンツ(mpkgを含む)がXAR形式で書庫化されるようになったようです。

3-14

分かりやすくするために、OSInstall.mpkgをデスクトップに持って来て解凍してみました。
ターミナルでデスクトップに移動し、以下のコマンドを実行します。
 xar -xvf OSInstall.mpkg
DistributionというファイルとResourcesというフォルダがコンテンツとして現われました。
Distributionをテキストエディットで開くと"badMachines"といった項目があり、ここでインストールをコントロールしていることが分かりました。

3-15

Distributionの"badMachines"に関する部分です。
G4/500MHzにアップグレードされたPismoに対しては、CPUのクロック"hw.cpufrequency"が867Mhz以上という条件さえクリアできればいいはずです。
数値を適当な値にする方法もありますが、ここでは単純に"false"を"true"に変更しました。

新しいファイル名を付けてパッケージを作り直します。
 xar -cvf OSInstall.mpkg.new Distribution Resources
これを元の/System/Installation/Packagesに戻して、以下のコマンドで新旧を入れ替えます。
 rm OSInstall.mpkg (オリジナルを削除)
 mv OSInstall.mpkg.new OSInstall.mpkg (元の名前に戻す)
以上で、ディスクイメージの修正終了です。

以下のコマンドを実行して、隠しファイルを非表示に戻しておきます。
 defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles FALSE
 killall Finder

最後にディスクユーティリティで、修正を加えたディスクイメージからPismo用のLeopardインストールディスクを作成して、作業完了です。

【Mac OS 8.6】

3-16

これは、2021年3月22日に撮った幻のスクリーンショットです。
一年半の間で、なぜこの日に限って起動できたのか、依然として原因は不明のままです。

3-17
3-18

インストールは、AGP用の「Power Mac G4 Software Restore」CDから行ないます。
中身に修正を加える必要はありませんが、Pismo用にバックアップを作成しておきました。
インストールの詳細は、本編「2-7. Mac OS 8.6の起動」を参照ください。

3-19
3-20

Pismoへの対応は、Mac OS ROM側の修正により行ないます。
データフォーク、リソースフォークの"Conpatible"に関するパラメータを書き換えます。
修正作業の詳細は、本編「2-7. Mac OS 8.6の起動」を参照ください。

3-21

「起動ディスク」で「Mac OS 8.6」を選択して、再起動します。

3-22

起動画面が現われ、アイコンパレードが行なわれます。

3-23

しかし、やはりダメでした。
このような画面が一瞬だけ表示された後、電源が落ちて(気持ちも)真っ暗になります。
バッテリーのマークに「×」印が付いています。

3-24

電源オンして、「PowerBook G3」(Mac OS 9.0.4)のボリュームから起動してみます。
時計が狂っており、日付と時刻の設定がリセットされていることを示しています。

バッテリーも内蔵電池も正常なので、通常の電源オフでは発生しない事象です。
ここに何かヒントがあるように思うのですが・・・
このPismo個体の問題なのか、OS 8.6とPismo間の基本的な不整合なのかは不明です。


Copyright 2022 WaterFront111 All rights reserved.