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4. MacBook Late 2008

4-7. Fusion 実践(3) Mac OS X 10.4

このページの内容

  1. オーバービュー
  2. Mac OS X 10.5の擬装化
  3. OSインストール用ディスクの追加
  4. 追加ディスクへのOSインストール
  5. 仮想マシンMac OS X 10.4の作成
  6. 追加アップデートとキーボードJIS対応

1. オーバービュー

ここでの課題はMac OS X 10.4 (Tiger) にはOSのリテール版が存在しないということです。
そこで、MacBook Late 2006に付属していたインストールディスク(version 10.4.8)を使用することを考えました。

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そのディスクイメージがFOR MACBOOK/OS/Mac OS X 10.4.8 Install Disc 1.isoにありますので、中身を覗いてみました。
ダブルクリックでマウントし、System/Installation/Packages/OSInstall.mpkgを選択し、「パッケージの内容を表示」をクリックします。

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「Contents」の中にある「OSInstall.dist」を「このアプリケーションで開く」の「その他...」から、

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「テキストエディット」を選んで開きます。

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最後の部分に、「hwbeSupportedMachines」という変数があり、インストールが可能な機種の機種IDが並んでいます。
末尾にMacBook Late 2006を示す「MacBook2,1」があります。

1-5

一方、例えばホストマシンであるMacBook Late 2008の機種IDは、
「この Mac について」のハードウェア情報や、

1-6

ターミナルコマンド「sysctl hw.model」で調べることができます。
これは仮想マシンについても同様でした。

以上のことから、仮想マシンの機種IDをMacBook2,1に変更すれば、機種専用ディスクからのインストールが可能になるのではないかと考えました。
しかしながら、より正確な仮想マシンの定義にはhw.model以外の変数も必要であることなどが分かり、結局のところ、DonkさんのInsanelyMacへの下記投稿記事を参考にさせていただくことにしました。
Thanks Donk-san !
  How to spoof real Mac in VMware →記事へ

その上で、全体の手順を以下のようにしました。
 1. オーバービューの検討
 2. 仮想マシンMac OS X 10.5(既に作成済み)をMacBook2,1に擬装する。
 3. 仮想マシンにMac OS X 10.4.8をインストールするための空のディスクを追加する。
 4. 追加したディスクにOSをインストールする。
 5. 仮想マシンMac OS X 10.4を作成する。
 6. 追加アップデートとキーボードJIS対応を行なう。
以下、それに沿って説明を行ないます。

2. Mac OS X 10.5の擬装化

ここで、一時的な作業用の仮想マシンとして「Mac OS X 10.5」の複製を作成し、名前を「Mac OS X 10.5 for Tiger」とします。

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仮想マシン「Mac OS X 10.5 for Tiger」を起動します。
今後の作業が分かりやすいように、ハードディスクを表示させておきます。

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尚、画面のタイトルに表示される仮想マシン名が「Mac OS X 10.5」のままになっていたので、ライブラリを開いて「Mac OS X 10.5 for Tiger」に変更してあります。

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ターミナルを開いて、ターミナルコマンド「sysctl hw.model」を入力。
機種IDは「VMware7,1」となっています。

一旦、仮想マシンをシャットダウンします。
仮想マシンMac OS X 10.5のvmxファイルを開いて、末尾に以下の7行を追加します。

  board-id.reflectHost = "FALSE"
  board-id = "Mac-xxxxxxxxx"
  hw.model.reflectHost = "FALSE"
  hw.model = "MacBook2,1"
  serialNumber.reflectHost = "FALSE"
  serialNumber = “CKxxxxxxxxx"
  smbios.reflectHost = "FALSE"

ただし、そうすると変数がダブりになりますので上の方にある下記1行は削除します。
  board-id.reflectHost = "TRUE"

ここで、「board-id」と「serialNumber」は対象マシンのものとなります。
自分のマシンの「board-id」は「Developer Tools」の「IORegistryExplorer.app」を用いて調べることができます。
また、BoardIDと機種IDの対応リストを掲載しているサイトもあります。
  List of Mac BoardID, Model Identifiers & Machine Models UPDATED! →サイトへ

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仮想マシンMac OS X 10.5を起動して、ターミナルコマンド「sysctl hw.model」を入力。
機種IDが「MacBook2,1」となっています。

次の作業のために一旦シャットダウンします。

3. OSインストール用ディスクの追加

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「仮想マシン」メニューから、「ハードディスク(SATA)設定...」を開きます。

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右上にある「デバイスを追加...」をクリックします。

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「新規ハードディスク」を選択して、「追加...」します。

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「ファイル名」はこのままで「適用」をクリックします。
何も反応がないので戸惑いますが、ウィンドウを閉じます。
仮想マシンをスタートアップします。

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実態どおり、「コピーしました」で構いません。

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少しびっくりしますが、「無視」で構いません。

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ディスクユーティリティを開いて、追加したディスクに「Tiger」という名前でボリュームを作成します。

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正しくフォーマットが行われて、「Tiger」がデスクトップに表示されました。
これでインストール先の追加ディスクが準備されました。

次の作業のために、また一旦シャットダウンします。

4. 追加ディスクへのOSインストール

4-1

「仮想マシン」メニューの「CD/DVD(SATA)」から「ディスクまたはディスクイメージを選択...」を開きます。

4-2

「Mac OS X 10.4.8 Install Disc 1.iso」を選択して「開く」。

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さらに、同じく「CD/DVD(SATA)」から「CD/DVD(SATA)設定...」を開きます。

4-4

「CD/DVDドライブを有効にする」を「オン」にして閉じます。
仮想マシンをパワーオンします。

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「Mac OS X Install Disc 1」がマウントされるので、ダブルクリックで開きます。

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カラム表示にして、/System/Installation/Packages/OSInstall.mpkgをダブルクリックで起動します。

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運命の瞬間です。
MacBook Late 2006に擬装できているでしょうか。

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OKです。
インストール作業を進めます。

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「Tiger」を選択してインストールします。

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ここでは「カスタマイズ」を選びます。

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「言語環境」は「日本語環境」のみにチェックを入れ、

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可能なだけチェックを外した状態で、「インストール」します。

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これによりインストール時間が大幅に短縮できます。

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閉じます。
このまま、Tigerのボリューム自体に統合アップデートを掛けることにします。

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USB「FOR 10654S」に接続します。

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統合アップデートのパッケージを開いて、ダブルクリックで実行します。

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「Tiger」にアップデートを掛けます。

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インストール中。

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閉じます。
他のウィンドウもすべて閉じて、仮想マシンをシャットダウンします。

5. 仮想マシンMac OS X 10.4の作成

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新規作成は常にこの画面からですが、今回は「続ける」ではなく「詳細なオプション...」を選択します。

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「カスタム仮想マシンを作成」を選択します。

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「Mac OS X Server 10.5 (64 ビット)」を選択しておきます。

5-4

「既存の仮想ディスクを使用」を選択して、「仮想ディスクを選択...」。

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先に作成した「Mac OS X 10.5 for Tiger」の「仮想ディスク 2.vmdk」を選択します。

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この画面に戻るので、このまま「続ける」。

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「終了」。

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「名前」は、「Mac OS X Server 10.5 (64 ビット)」を「Mac OS X 10.4」に変更して、「保存」すると、

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ディスクのコピーが始まり、

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起動画面になります。

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ところが、「キーボードが接続されていませんません。」という画面になって、操作が続けられない状態になりました。
前のMac OS X Server 10.4でも起動時のログイン画面で文字が打てなくなり、再起動で直るケースがありました。
ここでも再起動してみます。

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今度はうまくいきました。
キーボードの認識が不安定のようです。
ここからは通常通り、基本設定を行ないます。

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「時間帯の設定」と、

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「日付と時刻の設定」の画面です。

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Mac OS X 10.4がインストールできました。

6. 追加アップデートとキーボードJIS対応

6-1

アップルメニューの「ソフトウェア・アップデート」を開いて、

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追加のアップデートを完了します。

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仮想マシンをシャットダウンした状態でvmxファイルを開いて、ファイルの末尾に下記2行をペーストします。
  keyboard.vusb.idVendor=0x05AC
  keyboard.vusb.idProduct=0x020D
vmxファイルを保存して閉じたら、仮想マシンを起動します。

6-4

以上です。


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